2018/12/10

低速と低層

 金曜日、神保町の古書会館。喜国雅彦の個展を見る。会場、本人いるとは……。土曜日、西部古書会館。初日ではなく、木曜日から開催していたのだが、けっこういい本が買えた。資料なんてなければないでどうにでもなるとおもいつつ、目の前にあるとほしくなる。安心感は得られる。

 すこし前に読んだ本に内藤新宿の話が出てきた。ところが、その本が何だったかおもいだせない。メモをとらないとまずい。記憶力が落ちている。
 池波正太郎の『戦国と幕末』(角川文庫)だということが判明するまでに三日かかった。

 内藤新宿の話はさておき、今回は忘れないようにメモしておきたいとおもったのは次の文章だ。

《なにしろ、江戸の名残りの一つとして有名だった日本橋の頭上へ高速道路をぬけぬけとかぶせてしまうような政治家や役人や商人たちが、いまの東京に充満しているのだから、たまったものではないのだ》

 すこし前に二〇二〇年の東京オリンピック後に日本橋の上の首都高を地下化する計画があるというニュースを見た。今すぐなくしてもいい気がする。そのかわり日本橋から品川(東海道)、板橋(中山道)、千住(日光街道)、新宿(甲州街道)までの歩行者と自転車専用の“街道”を整備するという案はどうでしょう。
 今の日本に必要なのは「低速道路」だ。歩く人が増えれば、町は活気づくはずだ。たぶん日本橋周辺の高速道路を地下化する予算の十分の一くらいで作れるのではないか(計算は適当です。もっと安くできるかもしれない)。

 ついでにいうと日本橋周辺の再開発は「低層化」を目指したほうがおもしろいとおもう。

 わたしは低速&低層こそが未来の日本の向かう道だと考えている。もし独裁者になれたら、今すぐその方向に舵を切るつもりである。