金曜日、高円寺環七沿いのバス停から王子行のバスに乗る。前に乗ったのは二〇一九年二月。二年ぶりか。野方を通り、練馬を通り、氷川台を通り、板橋を通り、十条を通り、王子駅ひとつ手前のバス停で下車した。電車で行くより遠回りだし、時間はかかるが、バス楽しい。
権現坂から飛鳥山公園を桜(満開)を観ながら歩く。公園沿いの本郷通りは日光御成道ですこし歩くと西ヶ原の一里塚がある。
赤羽、十条、王子あたりも古鎌倉街道といわれている道がある。
高円寺からは赤羽行きのバスもあり、なんとなく赤羽には親近感を抱いている。
読書と散歩、そして睡眠——。生活における優先課題になっている。定年後の生活みたいだ。
庄野潤三著『世をへだてて』(講談社文芸文庫)を読んでいたら、長女の今村夏子さんの「父の散歩」に「一万五千歩より少ない日は、ほとんどありません」とあり、もっと歩こうと……。一万五千歩は難しい。九キロくらいか。
わたしは晴れの日一万歩、雨の日五千歩を目標にしているが、達成率は七、八割という日が多い。あくまでも一万歩は目標であって、七割くらいでよしとしようとおもっているからそうなる。無理は続かないから、それでいいと考えている。
人間の心の動きは不思議なもので散歩の途中、万歩計を見たときに七、八千歩くらいだと「今日はこれでいいかな」とおもうのに九千歩くらいだと「あと千歩なら」と一万歩まで頑張る気になる。
この心理は何だろう。