五十肩は完治したのかどうか。たまに重いドアを左手で開けようとして、嫌な痛みが走り焦る。
日曜日、西部古書会館大均一祭二日目(全品百円)。会場入ってすぐの棚に『文藝春秋 臨時増刊 目で見る日本史 街道と城下町』(一九七三年)があった。気長に探そうとおもっていた雑誌だ。
「特別企画 心のふるさと・宿場町 東海道五十三次」は、保土ケ谷(平野威馬雄)、藤沢(阿部昭)、小田原(尾崎一雄)、江尻(江国滋)、府中(三木卓)、藤枝(小川国夫)、四日市(田村泰次郎)……。
「日本の街道細見」 という地図も付いている。貴重な街道資料である。当時の定価は五百円。編集人は半藤一利。広告も面白い。三菱信託銀行の広告の「貸付信託」を読むと「元金保証」の五年もので年七・一二%。五年で一・四倍とある。
今、東海道の特集を作るとしたら、日本橋から三条大橋まで一つの宿場町ごとに執筆者を揃えるのは大変だろう。
できないことはなかなか考えようとしない。予算の範囲、人手の範囲で作れるものを作るしかない。
古雑誌を読んでいると「こういう雑誌はもう作れないな」とよくおもう。お金や時間のかかる企画は通らない。おそらくテレビの現場もそうかもしれない。