八日(日)
午前中、原稿を一本書いて大阪へ。電車の中ではひたすら宇佐美承の『池袋モンパルナス』(集英社文庫)を読んだ。不覚、こんなにおもしろい本だったとは。
梅田・阪急古書のまち、それから天神橋筋書店街の古本屋をまわる。矢野書店と天牛書店の二軒だけで今回の関西滞在中の書籍購入費(予定)をオーバー。
BOOKONNの中嶋さんに電話し、貸本喫茶ちょうちょぼっこで待ち合わせ。荷物をしばらくあずかってもらい、心斎橋のブックオフ、ベルリンブックスを案内してしもらう。
ベルリンブックスは古いビルの中にあって、なんとなくヨーロッパっぽい(行ったことないけど)雰囲気の店だった。
大量の本がつまったブックオフの袋をさげて、おしゃれな古本屋に入るのは、ちょっと恥ずかしかったよ。行く順番を逆にしてほしかった。
それでまたちょうちょぼっこ。ずっとビールを飲んでいた(※1)。冷えたのはもうないといわれたのだが、気にしないと答える。迷惑な客だったかもしれない。
一日目からダンボールで東京に本を送ることになった。
つるまるうどんというチェーン店でメシを食ったあと、午後十時前に、阪急電車で京都へ。サウナオーロラ、六曜社、まほろばといういつものコース。
九日(月)
朝(というか昼)、バールでメシ。恵文社に行くと、急にどしゃぶりになる。
秋くらいBOOKONNの中嶋さんのイベントをやるらしい。
京都の出町柳周辺の古本屋めぐり。ガケ書房に寄って、扉野家に。
いつものことながら、扉野良人さんに貴重な資料をいろいろ見せてもらう。説明もわかりやすくておもしろい。感嘆しっぱなし。
ちょうどいま調べはじめていたことがあって、「どうしても見つからない本があるんだよなあ」というと、「これでしょ?」と今日その著者(※2)のことが話題になることを予想していたかのように、すぐ本棚から出てきてビックリした。
夜はまほろばで岡大介さんと薄花葉っぱののライブ。ものすごく盛り上がった。
後半の岡さんと薄花葉っぱのセッションがすごかった。すごかった、としか説明できないのがもどかしい。音と店の雰囲気が絶妙で、いい気分で酔っぱらえるようなライブだった。
午前〇時くらいにカウンターで寝てしまう。
そのあと扉野さん宅で飲み会。わたしは先に寝ていたのだが、午前三時ごろ目をさまし、朝まで飲むことに。
十日(火)
朝六時、雑魚寝状態の扉野家を出て、ひとりで川沿いを散歩。高野川を一時間くらいさかのぼって歩いて叡山電車で帰ってくる。
京阪三条のコインロッカーに荷物をあずけ、ジュンク堂書店BAL店の岡崎武志さん、山本善行さんの「〈架空の〉きまぐれ日本文學全集フェア」を見てくる。
デジタルの万歩計(小型)を買う。懐中時計をなくして以来、腕時計(高校の入学祝い)をポケットにいれていたのだけど、電池切れでもないのに、たまに針が止まってしまうのだ。それで時計機能付の万歩計を買った。簡単にいうと、衝動買いだ。
河原町の古本屋をまわったあと、水明洞、山崎書店にも行く。それでもまだ時間があったので、京都府の動物園に行く。
バスの運転手風のおじさんふたり組(推定五十代)が、「きりんはかわいいなあ」「呼べがくるかなあ」と話しているのが、妙におかしかった。
帰りにまた六曜社。オクノ修さんはいるかなあとおもいながら入ったらいた。「よく来るねえ」と笑われる。
夜七時、ぷらっとこだまで東京に帰る。白角の水割を飲みながら、『池袋モンパルナス』を読み続ける。
考えさせられる本だ。
そのことについてはまたいずれ書いてみたい。
(※1)以前、このブログで「ビールは飲まない」と書いたが、ほかのアルコール類がなければ飲みます。訂正。
(※2)新居格のこと