2008/07/30

火星の庭

 二十六日(土)、夕方、仕事を終え、新幹線で仙台へ。二時間かからない。
 駅を降りて、とりあえず駅前のブックオフに行く。文庫本が二冊一〇五円セール中だった。
 モスバーガーでカルビ焼肉ライスバーガー(東京にはないメニュー)を食って、火星の庭に。ウィスキーを何杯か飲み、焼鳥屋、中華料理屋などをハシゴ(飲み続ける)。一週間ちかく断酒していたのでしみる、しみる。熟睡。

 二十七日(日)、午前中から車で萬葉堂書店の鈎取店を案内してもらう。深沢七郎の『流浪の手記』(徳間書店)があった。文庫(徳間文庫)は持っているのだが、単行本は、見たことがなくて、ずっと探していたのである。
 この本は「風流夢譚」事件後の放浪生活の話や「書かなければよかったのに日記」という読まずにいられなくなるような題のエッセイが収録されている。
 ほかに井伏鱒二編『若き日の旅』(河出新書、一九五四年刊)、『写真集 太宰治の生涯』(毎日新聞社、一九六八年刊)、高見順著『各駅停車』(毎日新聞社、一九五四年刊)などを購入。

 夕方、手まわしオルガンのオグラさんと火星の庭で合流。これまで人前で話をする前は、かならず緊張でおなかが痛くなったり、貧血になったりしていたのだが、東京から来ていたNEGIさん、ささま書店のN君、晶文社のTさんと雑談をしているうちに気が楽になった。

 古本旅行の話をして、吉行淳之介と鮎川信夫から読書の幅がどんどん広がっていってうんぬんといったことをしゃべったとおもう(まいあがってしまったのか、忘れてしまっている)。あと「はじめて見たほしい本は、どんな値段でも買う」というようなことをしゃべっていたそうなのだが(ふぉっくす舎のNEGIさんのブログ参照)、これは願望。でもそうやって買った本は、なんとか元をとろうとおもって読むし、読みたいときに買った本は、後々の自分の財産になるような気もする。というようなことをいいたかったのだけど、言葉足らずであった。

 オグラさんも仙台ではじめてのライブだった。
 曲の前に、お客さんから仙台の話をいろいろ聞き出して、そこに詩と歌をのせてゆく。「ビル風と17才」という曲に「ぼくらをどっかへ連れてってくれよ〜」と歌いあげるところがあるのだけど、なんというか、甘酸っぱくて、くーっとくる。

 打ち上げのとき、途中で寝てしまう。前野さん宅までの記憶なし。気がついたらN君と同じ部屋で寝ていた。

(……続く)