2008/10/17

人間智

 季節の変わり目、気温の変化、酒の飲みすぎ、そのほかいろいろな理由で、睡眠時間がめちゃくちゃになって寝てばかりいる。一昨日は十五時間くらい寝た。あれこれ考えてもしょうがないので、寝たいときに寝るようにしている。
 とりあえず、体調をととのえることに専念する。ようするに、だらけきっている。月末は仕事が忙しくなるので怠けるなら今だとばかりに怠けた。
 寝て、雑炊食って、寝て、また雑炊。酒もちょっと飲む。起きているときも、横になってごろごろ。

 講談社文芸文庫から尾崎一雄の『単線の駅』が出た。来月は『遠景・雀・復活 色川武大短篇集』が刊行されることを東川端さんのブログで知った。

『単線の駅』を読んでいたら、これは尾崎一雄ではなく、平野謙が浅見淵を評した文章の引用なのだが、「人間智」という言葉が出てきた(「五十年経った 浅見淵追憶」)。

 以下、孫引きになるが、平野謙の評はこう続く。

《つまり、いわれてみればナルホドと頷かれる人間観察や人間智に、浅見さんの批評や随想はみちているが、そういう人間そのものに対する好奇心みたいなものは、いくら学問をつみかさねても決して生れてくるものではないのである》

 その好奇心はどこから生れてくるのかは書かれていない。そのことが知りたいとおもった。