二月が終わった。二月の仕事も終わった。腰痛もだいぶよくなった。でもまだ重い物を持つのが怖い。
ブックマーク・ナゴヤ用の古本の梱包も終わり、あとは送るだけ。外市に出品する本も七、八割箱につめた。
土曜の夜、家でくつろいでいたら、深夜十二時すぎにコクテイルから電話。久住卓也さんからのおさそい。石丸澄子さんも呼ばれてきたらしい。
久住さんは二月中旬からほとんど部屋にこもって仕事をしていたという。
『ちくま』の連載。今回は辻征夫のことを書いた。書いても書いても書ききれないかんじで、最初に書こうとおもっていたこととちがう原稿になってしまった。
でも書きながら自分の今後の課題がすこしだけ見えた気がした。
そのヒントが、辻征夫のエッセイの中にあった。
すこし前まで、社交性を身につけたい、人前でおどおどしないようになりたいとおもっていた。
もうその努力はしないことにした。無理だ。というか、そこで無理をすると、いろいろマイナスもある。人前で緊張したり、パーティの席で居心地がわるくて逃げたくなったりするような感覚は、(ある種の)詩や文学を味わうためには不可欠とまではいわないが、あったほうがいいのではないか……。
その感覚をどうやって守っていくか。
守っても何の得もないが、損得の問題ではない。