遅ればせながら、『中央公論』十一月号の山本善行さんの「『古書善行堂』開業泣き笑い実録」を読んだ。
大学卒業間際に「昼間、本を読んだり古本屋さんめぐりができる仕事ってなんだろう」と考えたという一文を読み、自分も同じようなことを考えていたことをおもいだした。
安定した生活を送るよりも、のんびり本を読んでいたいという欲求のほうが強かった。
平日、古本屋をまわりたい。週末、古書展に行きたい。
就職したら、そういう生活はむずかしいだろうとおもった。
自分の選択は、最善だったのか。
ひとまず就職して、FAXや一眼レフのカメラ(当時、インタビューの仕事が多く、写真を撮ることが多かった)などの仕事道具を揃え、百万円くらい貯金してから、フリーになっていたら、ずいぶん楽だった気もする。
そのころ、そんな発想はなかった。
必要に応じて働き、疲れたら怠ける。そんなかんじでやってきた。
将来どうするんだときかれても「そのときはそのとき」と答えていた。
話がそれた。
プレオープンだった古書善行堂が十一月に正式オープンする。
百万遍の古本まつりも開催中である。
京都、行こうかな。