今週末、京都から扉野良人さん、広島から堀治喜さんが高円寺に来て、飲む。
日曜日は、平出隆さんと扉野さんの師弟対談を見に行く。
大学時代、先生といわれる人とはまったく付きあいがなかったので、いいなあとおもいながら、話を聞いていた。平出さんは、扉野さんの先生というより、年齢不詳の年上の友人みたいな雰囲気だった。
旅をしているときのさまよい方というような話を交互に沈黙しながら、語りあっている姿が印象に残った。それにしても、卒業旅行で川崎長太郎の郷里(小田原)をたずねる企画をかんがえるとは……。
昨晩は高円寺の古本酒場コクテイルで岡崎武志さんと林哲夫さんのトークショー。
別の飲み会に参加していて、午後十一時すぎに。
南陀楼綾繁著『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)を読んで、この何年間の古本界隈の変遷、古本イベントなどで各地で知り合った人のことを次々とおもいだす。
一箱古本市がはじまり、全国で古本イベントがあっという間にひろまった。玄人素人関係なく、本を売る。本を通して、人と知り合う。本をとりまく環境が大きく様変わりしている。まちがいなく、一箱古本市はその震源地のひとつだ。
激変の渦中にいながら、記録を残し続け、全国各地を飛び回り、地道に継続させていくために動き回り……。
そんな南陀楼さんの活動の余波を受けた人はどのくらいいるのだろう。
『sumus』の同人になって十年予想外のことの連続だった。そのときどきは「こんなことやっていて何になるんだ」とおもうのだが、見切り発車ではじめてしまったことでも、三年後五年後十年後何かにつながっている……ということは時間が経ってみないとわからない。
予想外といえば、山本善行さんが古本屋をはじめたことか。
今となっては当然のなりゆきだったような気もするのだが、最初に話を聞いたときはほんとうにおどろいた。