2012/01/29

意地で維持

……寒くて飲んで睡眠時間がぐだぐだになって、起きるのが夕方もしくは夜になってしまう日が続いている。

 働くときは働き、遊ぶときは遊び、怠けるときは怠ける。
 自分がそうやって生きている以上、世の中にも働く人、遊ぶ人、怠ける人がいて、なんとなくバランスがとれるのである。もっとも同意してくれるのは遊んでいる人と怠けている人だけだという現実も深く受け止めねばなるまい。

 昨日はぶりかまを焼いて、わざと雑に身を残して食い、それで粗汁を作って食った後、味噌を入れ、冷蔵庫の残りものの野菜をぶちこんで味噌煮込みうどんを作ったら、今世紀最高といっていいくらいの出来映えになったのだが、同じ味を再現する自信はない。

 今陽子とピンキーとキラーズ「東高円寺」経由で作曲家のすぎもとまさと(杉本眞人)のライブ動画を見て、不明を恥じた。ちあきなおみの「紅い花」を歌っているのだが、味がありすぎる。
                *
 世の中には、一見、マジメそうなのに、人並のことができず、協調性があまりなく、やや常識に欠ける(かといって非常識でもない)人というのが一定数いる。

 自分のことを厳重に梱包していわせてもらうと、倉敷の蟲文庫さんの印象がそうだった。
 田中美穂著『わたしの小さな古本屋』(洋泉社)を読んでいると、蟲文庫さんの「おかしさ」が随所に出てくる。

《イソギンチャックなど、海辺の潮だまりに貼り付いて暮らす生き物の生活形態を「固着生活」と呼ぶそうですが、帳場でじっとしてほとんど動かない自分の様子とどこか通じると思います》

 二年ほど続けたアルバイトをやめると告げたその日に「古本屋になろう」とおもい、その帰り道に古本屋に寄って、『街の古本屋入門』を購入し、店舗探しに不動産屋をまわる。

 後年、そのころをふりかえって、「『無謀』という言葉をつくづく噛みしめました」と綴る。

 これからお店をはじめようとおもっている人におすすめできるやり方かどうかはさておき、どうはじめるかよりも、どう続けるかのほうがはるかに大切なことなのだな、と……そんなふうに読みました。

《「意地で維持」これは蟲文庫のテーマです》

 わたしもそれしかないとおもっています