日曜日、静岡へ。久しぶりの遠出である。けっこう寒い。
静岡のUHUというライブハウスでペリカンオーバードライブとオグラさんのライブを見る。顔見知りもけっこういて、高円寺にいるみたいだった。
ペリカンはベースなしで斉藤エンジンさんのキーボードが入った変則三人編成。エンジンさんは十年以上前にペリカンといっしょに演奏しているのを見たことがある。粗っぽくて疾走感あふれるステージ。「ハルノヨウキ」を春に聴ける幸せ。そのためだけでも静岡に来てよかった。
オグラ&迷ローズの盛り上がりもすごかった。オグラさんは清水の出身。静岡のライブハウスで「ビル風と17才」が聴ける幸せ。この一曲を聴くためだけでも静岡に来てよかった。
アルバム『次の迷路へ』を聴いたとき、オグラさんの詩と音楽は、ほとんど完成の域に達してしまったのではないかとおもった。そのくらいの渾身の曲がつまっている。
楽曲だけでなく、ステージでの歌、演奏、パフォーマンスの円熟度もとんでもなく高い。
静岡時代もふくめると、三十年以上、切れ目なく、音楽を続けてきて、今も全国のライブハウスを回っている。
問題はその先だ。
今のオグラさんの音楽は、完成と円熟の先の未知の場所を探し求めているようにおもえる。「次の迷路へ」という曲もそういうことを暗示している。
いってもしかたのないことをいえば、オグラさんは、十五年前に売れていてもおかしくなかった。いや、青ジャージ、800ランプ時代の曲も、同時代の音楽にまったく引けを取らない。今、聴いてもすごい。なかなかそのすごさが伝わらないことが、不思議でならない。もったいないとおもうけど、どうしたらいいのかわからない。
迷路を抜けてさらに大きく化ける瞬間が見たい。
その瞬間はかなり近づいている気がする。