三月になった――と書いてから五日経った。
三日(日)、ペリカン時代。ミュージシャンで作家で最近はラテン音楽やアフリカ音楽のDJもしている東賢次郎さんのライブ。大盛況。話もおもしろい。
いいライブだった。東京に来たのは四年ちょっとぶりらしい。年に一、二回、高松や京都で会っていたのでそんなかんじがしなかった。
今月末あたりに発売予定の新刊の作業中だ。『小説すばる』の「古書古書話」という連載をまとめた本。
単行本になる前の原稿を読んでいると、自分の変遷みたいなものが見える。ある時期から本の選び方、読み方が変わり、その消化の仕方も変わった。
本を読んでいるときに気にするポイントが年々変わっている。
今は十年前みたいな原稿は書けないし、五年前みたいな原稿も書けない。校正しながら「こういう本はもう二度と出せないだろうな」と何度となくおもった。
原稿に関しては十年分だが、古本屋通いは三十年以上続いている。
スポーツ関係の本ばかり読んでいた時期もあれば、釣りの本しか読んでない時期もあり、今は「街道本」の底なし沼にはまっている。
古本屋に行くと、たいてい自分が探している本ではない本を買う。
明日、自分がどんな本を買うかわからない。
そうした日々が積み重なって、今に至っている。
五日くらい前にそういうことを書こうとしていた。
今は酒を飲みたい気分だ。