三十日、ぷらっとこだまで帰省。すこし時間に余裕があったので、東京駅で降り、R.S.Booksをのぞくと、『深沢七郎ライブ』(話の特集)があった。ちょっと高い本は、何かきっかけがないと買えない。それが今だ。これから田舎に帰るというのに、重い本を買ってしまった。八重洲古書館のすこし先にあるアロマでコーヒーを飲む。
電車の中では、山田風太郎エッセイ集成『風山房風呂焚き唄』(筑摩書房)を読む。旅先に単行本を持っていくことはめずらしいのだが、山田風太郎のこのシリーズはゆっくり読みたい。
電車が小田原駅の手前で止まる。一時間四十分。風太郎、読み終わる。結局、名古屋まで六時間くらいかかってしまった。『深沢七郎ライブ』を買っておいてよかった。
《仕事をすることは食べること以外に意味を求めてはいけないのです》
という深沢七郎の一行にうなる。
前に帰省したとき、沼津で電車が止まったことがあった。そのとき電車の中で読んでいたのも山田風太郎だった。たしか『戦中派不戦日記』だった気がする。
そんなこんなで鈴鹿へ。
父も自動車関係の工場で五十年ちかく働いているのだが、鈴鹿ではフィットなどの小型車が中心のため、今のところ自動車不況の影響はそれほど受けていないらしい。でも今年、小型車の生産を関東の工場にも分割するという話もあり、そうなると、かなり深刻な事態になるかもしれない。
大晦日、町に出る。ブックセンター白揚の場所が田舎の家の近くに移転していた。それから鈴鹿ハンター。ゑびすやでかやくうどん。そのあとボンボンという喫茶店でコーヒーを飲む。
母、テレビを見ながらずっとナンクロをやっている。自作の回答用紙も作っていた。
元旦は静岡に移動。妻の親族が大勢集まる。十四、五人。にぎやか。食いものがあっという間になくなる。
次の日、自転車を借りて浅間神社へ。
近くには正月からやっている古本屋がいくつかある。
三日、各駅列車で東京に帰る。
今日から仕事はじめ……といっても、昨年渡した原稿の校正をちょこっとやっただけ。
そのあと高円寺の古本屋をまわる。
まだちょっと正月ボケ。