古本酒場コクテイルで行われた前野健太「ギターと歌う vol.9」に行った。予想はしていたけど、中に入れない。ものすごい熱気だ。ビールケースを出してもらって店の外(十人以上いたかも)で、飲みながら聞く。
いつも以上に声がよく通る。軽やかなのに、まったく誤魔化しがなくて、自分の中でいろいろなことがせめぎあっている感覚も伝わってくる。すこし前までのやや不安定で、ピリピリしながら客に音楽をぶつける姿勢も好きだけど、くつろいで楽しんで歌っているかんじもよかった。いや、断然いい。
階段を一段飛ばしくらいでかけのぼっていく時期がある。もちろん、それはずっと続かなくて、たいていペースが落ちたり、それまでの疲れがどっと出たりするわけだけど、それを乗りこえた後に新境地がある。
今おもうと『さみしいだけ』を作っていたころの前野さんは、そういう時期だったのかなあという気がした。
年末に松江哲明監督の『ライブテープ』(前野健太ゲリラライブドキュメント映画)の公開も決まったという。いいニュースだ。