カーテンを洗濯する。掃除が止まらなくなる。
本のいれかえをして、台所まわりを磨いて、すっきりした。
夜、換気扇から水の音が聞こえてくる。
雨かなとおもって、外を見たけど、降っていない。
音が大きくなる。
しばらくすると、換気扇から水が漏れてきた。天井からも水漏れ。台所付近の本棚もびしょ濡れ……。
上の階(大家さんが住んでいる)のトイレのタンクが壊れて、浸水したようだ。汚水ではなかったのが幸い。
大家さん一家がくる。新聞紙をひいて、天井の水漏れをバスタオルで押さえる。
ガスコンロのとりはずせる部分をすべて外し、風呂場で洗う。食器もすべて洗い直す。
集合住宅に住んでいれば、そういうことはある。前に雨漏りは何度かあったが、これほど部屋が水浸しになったのは、はじめてかもしれない。
たまたまその日は家にいてよかった。水漏れに気づいてすぐ本を動かすことができた。これも不幸中の幸い。
それでも二十冊くらいはだめになった。家にいなかったら、被害は十倍くらいになっただろう。
あきらめのつく本とつかない本が半々といったところ。
これまでも何度か水漏れ被害の話を聞かされたことがあったが、こんなに大変だとはおもわなかった。