……土曜日、鴬谷の東京キネマ倶楽部でカーネーションのツアーファイナルのライブを見に行く。会場は元グランドキャバレー。会場の豪華な雰囲気に圧倒される
前に観たときは骨太でソリッドなロック色が強いかんじだったけど、今回は多彩でファンキー(という言葉が適切かどうか自信はない)なステージだった。
カーネーションが、音楽の壁を迂回せずにぶつかって、よじのぼって、乗り越えてきた歴史をかいまみた気がする。
「夜の煙突」や「It's a Beautiful Day」も聴くことができて大満足——。頭の芯からしびれました。
ゲストは梅津和時さん、武田カオリさん、渡辺シュンスケさん。
直枝さんの曲は、四、五人のバンド編成だと、より艶や華、あと宇宙感のようなものがかんじられるともおもった。
《新作構想中の3.11に時間が止まってしまった。失いかけた歌を取り戻すことについて考えていた4月、梅津和時さんとtatusとセッションする機会に恵まれ、過去に旅した石巻や女川の白い浜辺に捧げる「女川」を即興演奏した。
8月の終わりには南相馬の巨石ブラウンノーズと再会し、海を遠く眺めながら歌った。どたばたな日常を暮らす中で溢れ出してしまう想いが言葉や音になっていった。出会い、全力で楽しみ、祈り、歌う。
おそらくこのディスクはそれだけで成り立っている》(ミニアルバム『UTOPIA』より)
MCでは、梅津和時さんは仙台出身、直枝さんも親族が宮城にいるという話を聞いた。
ライブ会場で、学生ライター時代(大学時代)の先輩のIさんと再会する。十九歳のとき、スタッフ募集の告知を見て応募した雑誌の面接をしてもらった人。
わたしは、いきなり鞄からドストエフスキーの『悪霊』を出して、文学について語りはじめたらしいのだが……まったくおぼえていない。
Iさんにはドゥービー・ブラザーズやジャクソン・ブラウンの来日公演のものすごくいい席のチケットをとってもらったこともある。