最近、生活リズムが乱れ気味。レコードを聴きながら押入を掃除する。久しぶりにノーマン・グリーンバウムを聴く。レコードを持っていたことすら忘れていた。これもジャケ買いか。『BACK HOME AGAIN』という一九七〇年のアルバムなのだが、髭とノースリーブと花のコントラストが斬新である。裏ジャケではノーマンが山羊の乳しぼりをしている。
先週の西部古書会館では河島悦子著『伊能図で甦る古の夢 長崎街道』(一九九七年)を買った。長崎街道は街道に興味を持ちはじめてから、ずっと気になっている。
江戸時代、海外の調味料は長崎街道を通って全国に広まった。象やラクダも通った道だ。今の九州の旧街道(長崎~佐賀~福岡)や宿場町の保存や整備の状況を知りたい。
ただ、全国を追いかけるには時間が足りない。いずれは範囲を限定し、掘り下げていく必要がある。三十代から街道の研究をはじめていれば……とおもうが、そうすると別の人生になっていた。これまでのノープランの旅を活かしていくほかない。
この日もう一冊『滝田ゆう作品集 ぼくの昭和ラプソディ』(双葉社、一九九一年)も買えた。遺稿作品集にもかかわらず「あとがき」がある。滝田ゆうが病床で亡くなるまで取り組んでいた本だった。絵もいいが、ちょっとよれよれの書き文字もいい。「北九州の朝」と題した絵がよかった。滝田ゆうが描いた昭和の風景はどのくらい残っているのか。知らない場所なのに懐かしくおもえるから不思議だ。
昭和ではなく、平成の町並も消えつつある。