2021/10/10

一日無事

 水曜日、神保町。新刊の文庫と新書をチェックして、神田伯剌西爾。十月なのに暑い、というか、生暖かい。すこしずつ衣替えをしているのだが、夏用のシャツばかり着ている。

 西部古書会館は金曜日と日曜日に行く。最終日、ゆっくり図録を見ていたら『東海道双六の世界 東海道宿駅制度400年記念 PART3』(横浜市歴史博物館、二〇〇一年)、『国芳の描く中山道』(安土城考古博物館、二〇〇二年)など、背表紙に文字のない薄い図録があった(いずれも三百円)。薄い図録は混んでいるときだとつい見落としてしまう。

 昔と比べるとつまらない日々を何となくやり過ごせてしまうようになった。若いころの自分が今の自分を見たら、退屈な生活を送っているように見えるだろう。夜遊びもせず、家でごろごろしてばかり。今のわたしは面白いかつまらないかより、一日無事ならそれでいいやといった気分だ。特筆すべきことのない日々の中にも楽しみがないわけではない。日頃歩かない道を歩き、普段行かないスーパーで近所の店には売っていない調味料を買う。そんなことでもそれなりに満足感を味わえる。

 古本に関しては知れば知るほど、知らないことが増えていく。若いころには味わえない再読の楽しみもあるし、旅でも再訪の面白さもある。

 来年はもうすこし仕事をしようとおもっているが、どうなることやら。