先週の日曜日、東京都心で今年初の真夏日(最高気温三十度以上)、群馬県高崎市は猛暑日(三十五度以上)を記録した。
すこし前の夕方のニュースで「暑熱順化」という言葉を知った。軽く運動したり、湯船にゆっくりつかったりして、夏の暑さに備え、体を慣らしていくといいようだ。冬は「寒冷順化」という。
晴れの日一万歩(だいたい六キロ)、雨の日五千歩(だいたい三キロ)の散歩をするようになって、以前と比べ、気温の変化への耐性がついた——気がする。
わたしの場合、家にずっとこもっていると、面白そうなこと、楽しそうなことへの反応が鈍くなる。
夜、近所の飲み屋に行こうかなとおもっても「今日はいいか」となる。翌日、顔を出すと「昨日は誰それさんが来ていて盛り上がったよ」と教えられる。
東京近郊で気になる文学展があっても、ずるずると行くのをためらっているうちに期間が過ぎてしまうことも多い。
行こうとおもったら、さっと体が動くようになりたい。こういうことは精神論よりも慣れである。
とりあえず家を出て歩きはじめる。散歩中、「そういえば、誰それの個展は明日までだったな」と思い出し、そのまま会場に向う。電車で帰る途中、適当な駅で降りて知らない町を散歩する。そんな感じで自分の動きを軽くできたらいいなと……。