2010/08/04

イケブックロ

 ノートパソコンの上に保冷剤を置きながら仕事する。

 夕方、散歩。気温に慣れる修業のつもり。都丸均一のち北口あずま通り古本屋(新店舗が!)のちOKストアに行く。

 その新店舗で森銑三著『古い雜誌から』(文藝春秋新社)を買う。短い随筆ばかりで息抜きの読書にもってこい。
 寿司に関する話で「お上品ぶるといふことは根本を忘れるから起ることだ」という一文があった。
 東京に来て驚いたことのひとつは、寿司屋の人がエラそうなことだった(もちろんそうじゃない人もいっぱいる)。

 わたしの感覚だと、漁師のほうが寿司職人よりエラくなければおかしい。どう考えても、そっちのほうがたいへんな仕事だとおもう。

 そのあと北口庚申通りの高円寺文庫センターに行く。新刊本と古本の店(というか大半が古本)としてリニューアルしていた。入口は百円均一。店内の棚はまだ埋まっていない。かすかに動揺する。近所に新しい古本屋ができたらうれしいはずなのだが、それとこれとは話がちがう。同じはずがない。

 高円寺文庫センターは(かつて)中央線を代表するサブカル系の書店だった。

 ひょっとしたら今の日本の若者はもう新刊本を買う余裕がなくなりつつあるのではないか。月の手取りが十数万円で、家賃と食費と光熱費と携帯電話代を払ったら、ほとんどお金が残らないという生活をしていて、実用性のないサブカル漫画を買う余裕がどこにあるんですか、月に一回、インターネットカフェの三時間パックで漫画を十冊読むのがいちばんの贅沢ですよ、みたいなことになっているのではないか。

 そういう現実もあるとおもうのです。あくまでも想像ですが。

 とまあ、ぼやいたあとになんですが、告知を。


■イケブックロ〜わめぞの古本・雑貨市

池袋駅の近くで古本1万冊! 池袋に本の文化が根付きますように、街の中に本がいつでもありますようにという思いをこめてイケ「ブック」ロ。真夏の池袋に3日間だけ「本のオアシス」が出現します。(財)としま未来文化財団さんとの共催企画です。

■会期
2010年8月6日(金)〜8日(日)
10:00〜20:00(最終日17時まで)

■会場
豊島区民センター1階 総合展示場
豊島区東池袋1−20−10
http://www.toshima-mirai.jp/center/a_kumin/

……それから中野ブロードウェイのタコシェに『活字と自活』のサイン本あります。お近くの方はぜひ。