土曜日、高円寺あづま通りの古本縁日後、西荻窪のなずな屋へ。
この日、リニューアルオープン。マッチラベルなど、紙ものが増え、店内には澄子さんのシルクスクリーンのポスターも展示していた。
そのあとなずな屋のすぐ近所の新刊書店、颯爽堂に寄る。深夜営業で、いろいろな人からいい店だと聞いていたのだが、ゆっくり本を見ることができて居心地がいい。
西荻窪駅南口のSAWYER CAFEへ。五月末にオープンしたばかりの店。久住昌之さんの切り絵展を見る。飲んでいるあいだに、絵がどんどん増えていくのが面白かった。
再び、高円寺に戻り、藤井豊さんの写真展「上京高円寺」開催中のペリカン時代へ。
一階の入口から階段の壁面にも写真が飾られている。レイアウトは中嶋大介さんとわたしも手伝った。
今はない高円寺北口の庚申通りのドトール(現在はおかしのまちおか)が写った一枚があって、それに反応するお客さんが多い。
昔、わたしが住んでいたアパート、朝五時から営業していたいこい食堂、ネブラスカ、馬橋公園、様変わりする前の高円寺駅前……。
今回展示してある写真の何枚かは、わたしのその現場にいた。そのときの藤井さんの反応がおもしろかった。「え? 今、撮るの?」「なんで、それ、撮るの?」と何度おもったことか。
ところが、十年後にその写真を見ると、かすかにしか記憶に残っていない時間が写っている。
二十代後半、社会人になった友人と疎遠になったり、文章書いたり音楽やったりしていた友人たちも田舎に帰ったりして、「この先どうなるのかなあ」と不安におもっていたときに、ペリカン時代の増岡さんと原さん、手回しオルガンのオグラさんたちと知りあい、毎日のように公園で飲んだり家で飲んだりするようになった。
あまりにも楽しすぎて、仕事どころではなかった。
藤井さんが岡山から上京してきたのもそういう時期だった。