2017/08/11

傑出感

 子どものころ、手塚治虫、石ノ森章太郎、松本零士の漫画に熱中した。彼らの作品には、その時代における「傑出感」があった。今、過去の名作漫画のリメイクが流行している。オリジナルと比べて、絵が緻密かつ綺麗になっても「傑出感」までは再現できない。

 ジャンル全体のレベルが上がってくると、抜きん出た表現が登場しにくい。これは漫画に限った話ではない。
 その時代にどれだけ傑出していたかということは、リメイクやカバーでは、伝わりにくいのだ。

 スポーツ統計学では「傑出度(傑出値)」という指標がある。その時代その時代の突出した成績というのは、後から選手ひとりひとりの数字だけ見てもピンとこないことがよくある。