2018/09/10

西荻ブックマーク

 南陀楼綾繁さんの『蒐める人 情熱と執着のゆくえ』(皓星社)の刊行記念の西荻ブックマークは無事終了。岡崎武志さんは甲府から会場へ(身延線にも乗ったらしい)。
『蒐める人』の話や同人誌『sumus』の話。わたしが『sumus』に参加したのは二〇〇〇年だから十八年前。岡崎さんと高円寺の飲み屋で知り合ったのは一九九〇年代の半ばごろで、かれこれ四半世紀の付き合いになる。南陀楼さんとは『sumus』以降もBOOKMANの会という読書会に顔を出していた。記憶は薄れつつあるが、BOOKMANの会で知り合った人は多い。
『蒐める人』に日本古書通信社の八木福次郎さんのインタビューがあり、昔の神保町の露店の古本屋のことが語られている。ひさしぶりに読み返し、このときの話が後の一箱古本市やみちくさ市につながっているとおもったが、南陀楼さん自身、そのことをどこかで書いていたかもしれない。

 わたしは二十代、三十代とアルバイトをしながらライターをしていたのだが(当時、商業誌では古本のことを書く場所がなかった)、それなりに楽しい日々をすごせたのは『sumus』の集まりや読書会があったのは大きい。
 開始前の打ち合わせでは三人でずっと老後の話をしていたのだが、イベントの終盤もそうなった。

 老後、というか、余生は、東京に(新幹線や特急をつかわず)二時間くらいの場所で格安のできれば平屋の一軒家(六畳二間くらい)に暮らしたい。上京するまで暮らしていた郷里の家も平屋の長屋(借家)だった。でも都内で平屋に住むというのはむずかしい。

 今年に入って山梨県の甲府、石和温泉を訪れてそれぞれ一泊した。
 甲州街道は、江戸を出て、新宿、八王子、甲府を過ぎて下諏訪で中山道に合流する。
 東海道、中山道、甲州街道の三つの街道だけで、山ほど資料がある。読んで歩いて、歩いて読んで……という読書が楽しくてしかたがない。

 今、人と会うとすぐ街道の話をしてしまうので自戒している。この日の打ち上げでもやってしまった。反省。