来月、星野博美さんの『島へ免許を取りに行く』の刊行を記念して、古本酒場コクテイルでトークショーを行います。
出演 :星野博美・荻原魚雷
場所 :古本酒場コクテイル(コクテイル書房)
日時 :11/18(日) 16:30開場 17:00開始
チャージ:1000円
※要予約。
電話:03-3310-8130 または cocktailbooks@live.jp まで。
コクテイルのHP http://koenji-cocktail.com/
《抽象的な目標ではなく、手が届きそうな、具体的な目標が欲しい。
それを達成できたら、この先も少しがんばれるような気がする》
《何かができるって、こんなに楽しいんだ。
そして、人から褒められるとはこれほど嬉しいことだったのだ。
何十年も忘れていた感覚だった。
私は車という未知の世界に自分を放り込んだ。
多分、免許に救済を求めていたのだと思う》(『島へ免許を取りに行く』本文より)
手が届きそうな「目標」、そして「救済」——。『島へ免許を取りに行く』を読み終えた後も、この言葉がずっと残っている。
三十代後半から四十代に入って、わたしはどんどん新しいことをはじめるのが億劫になってきている。
これまでやってきたことですら、なんとなく全力投球できない。余力を残しておかないと、燃え尽きてしまうのではないかとおもってしまうのである。
自分の中の「目標」もすこしずつ、大きなものから小さなものに変化している。
その結果、無理せず気楽に長続きするようなやり方ばかり選んでいる。
でもそうするとこんどは夢中になったり、没頭したりすることへの渇望感がくすぶりはじめる。
未知の世界に自分を放り込む。
たぶん今のわたしに足りないのはこの感覚だ。
ここ数年、何か困ったことがあると星野さんのエッセイ(『銭湯の女神』、『のりたまと煙突』など)をくりかえし読んできた。
どこにも属していない、何者でもない——星野さんはそういうところから言葉を発する。
読み返すたびに何かを教えられる。
しゃきっとした気持になる。
今回の本もそう。
この話の続きはコクテイルで……。