年末というかんじがまったくしないまま、十二月下旬。
日曜日、ギンガギンガ十周年を見に行く。高円寺ショーボート。オグラ&ジュンマキ堂バンド、しゅう&宇宙トーンズ、ペリカンオーバドライブ。いつもの三組。わたしは十年見続けたことになる。変わったもの、変わらないもの、ぜんぶひっくるめて味わい深い。
年をとると(多少は)耳が肥える分、音楽に感情移入する力みたいなものが落ちてくる。読書もそうかもしれない。
歌っている姿、演奏している姿を見ているだけで嬉しい。どの曲も心に響く、自分の殻みたいなものが溶けていく——昔は、しょっちゅう、そんなふうに感動することがあったなとおもったりしながら、この日のライブを楽しんだ。
音楽の世界は広い。その中の限られた小さな世界しか知らない。ある時期にたまたま知り合って、その音楽を知って、わたしはそこに留まった。たぶん、留まったことにも意味がある。
音楽の感想でも何でもないのだが、この人たちと同時代、同じ国に生まれてよかったとおもった。