2020/08/14

荻窪

 木曜日、神保町。博多うどん、神田伯剌西爾。東京堂書店神田神保町店の週間ベストセラーで『中年の本棚』(紀伊國屋書店)が一位だった(八月十一日〜)

 金曜日、昼、古書ワルツ荻窪に行く。久しぶりに鞄が重くなるくらい本を買う。ここ数年、西部古書会館で古書ワルツが出品する街道本をよく買っていた。これから楽しみだ。あとスペクトラムの『スペクトラム伝説』も買う。一九八五年発売のベスト盤。スタン・ハンセンのテーマで有名なバンドだ。ドラムとパーカッションがすごい。ベースの人はバッファーローマンのようなツノがはえた帽子をかぶっている。かっこいい。古書ワルツ、七〇年代のアメリカのフォークロックなど、洋楽のCDも好きなミュージシャンのアルバムがけっこうあった。 

 そのあと青梅街道を歩いて本屋Titleへ。店内で汗だくになっていることに気づく。二階で石山さやかさんの「台風と小旅行」展を見る。やや猫背で眼鏡の男性の絵に親近感をおぼえる。

 荻窪の青梅街道と環八の交差点付近に四面道(しめんどう)と呼ばれる場所があるが、名古屋の西区には四間道(しけみち)という通りがある。近くには円頓寺商店街もあって、十年以上前、ブックマークナゴヤで一箱古本市が開催されたときにすこし歩いた。

 Titleを出て八幡神社に寄る。帽子に汗じみができている。夏の通気性のいいアウトドア用の帽子がほしくなる。

 今年の春以降、自分の時間が止まっているというか、なかなか未来に向って踏み出そうという気分になれず、知り合いに会うと「しばらく休むよ」というのが挨拶がわりになっていた。家に帰って『スペクトラム伝説』を聴いているうちに、街道歩きを再開する気になった。夕方、帽子を買いに行った。