日曜日、起きたら昼の三時だった。寝癖がひどいことになっているが、帽子をかぶって、顏も洗わず、髭もそらず、鼻毛も切らず、西部古書会館の二日目に行く。
寝ぼけた頭で自分がどんな本を買うのか試してみたかった……というのはウソで、頭がぼけているので、古本でも買えば目が覚めるかなとおもってわけである。
二日目の午後三時すぎとなると、ずいぶんゆっくり本を見ることができる。
パラディさんの出品した鮎川信夫著作集の「戦中作品」の巻が格安で売っていたので、ありがたく買わせてもらう。
先日、田村隆一の『若い荒地』(講談社文芸文庫)を復刊されたので再読していたら、鮎川信夫の戦前の日記(未発表)がむしょうに読みたくなったのだ。
(……以下、『活字と自活』本の雑誌社所収)