今週、四十七歳になった。まだまだ先だとおもっていた五十歳も見えてきた。あと三年だ。
若いころのわたしは若さを否定していた。否定というか、若さを求められることが苦手だった。
「若いんだから、もっと元気だせよ」といわれても、子どものころから寝ころんで本を読むのが好きだった。声が小さかった。「若いくせに活気がない」といわれても、どうしていいのかわからない。
早く齢をとりたいとはおもわなかったが、若いというだけで「何も知らない」「経験がない」と見くびられる状況からはすぐにでも抜け出したかった。しかし三十代になっても若手扱いが続いた。
四十代になって楽になった。白髪が増えた。腰が痛い。太った。すぐ疲れる。お酒を飲むとすぐ眠くなる。昔みたいに徹夜で原稿を書くこともできなくなった。
齢をとれば、疲れているのが当たり前になる。調子がよくないのも当たり前になる。
だからぐだぐだ、だらだらしていてもいい。若くないんだからしかたがない。
苦手なことを頼まれたら、それが得意な人を探して紹介すればいい。そのほうが楽だし、うまくいくことのほうが多い。
生きていれば楽なことばかりではないが、楽をする努力は怠らないようにしたい。頑張る。