2013/12/24

ギンガギンガvol.8

 年内の仕事は終わり。部屋の掃除をして、雑誌、新聞のスクラップをする。
 コタツ布団を省スペース用に買い替えた。こんないいものがあったとは。コタツで原稿を書いていると、コタツ布団をどんどん手前側に引っ張ってしまい、反対側に隙間ができる。一日一回はコタツ布団を元に戻さないといけない。
 新しいコタツ布団は天板の形に合わせて作られているため、ちょっと引っ張ったくらいではズレないのだ。発明した人に感謝したい。

 二十二日(日)、高円寺ショーボートでギンガギンガvol.8に行く。ペリカンオーバードライブ、オグラ&ジュンマキ堂、しゅう&宇宙トーンズの三組。オープニングはアネモネーズ。
 ペリカンは今年三人揃うのははじめて。つまり年一回しかライブをしていない。練習もしていない。なのに、息がピッタリ。曲によってはリードベース+サイドギターみたいな展開になるのだが、今のスリーピースのペリカンに合っている気がする。
 MCでは『THE VERY BEST OF MORI-KUN』(名曲「ロックバカ一代」「家を出た」など収録)の話もしていた。初回限定版にザ・ポテトチップスの一九九一年のライブがついている(来年一月発売)。ポテトチップスは、ペリカンのギターの小島史郎さん、ベースのマサルさんがいたバンドだ。
 オグラ&ジュンマキ堂はひさしぶりに「犬と私」が聞けたのがうれしかった。後半はキーボードの原さん、ベースのマサルさんも加わり、ラストは800ランプ時代の「君にハンバーグ」。
 しゅう&宇宙トーンズは、サックスも入って、スモークと赤いビーム(頭部に装着していた)もすごかった。ちょっと音酔いしてしまった。宇宙酔いか。

 家に帰っても「君にハンバーグ」の詞が残っていたので、アルバム『架空の冒険者』(一九九九年)を聴き直す。

《理解されたいと 思い始めてからのぼくは
 君がいうように つまらなくなっちゃったのかな》(君にハンバーグ)

 ハンバーグステーキが食べたくなって、君とレストラントに出かける。ぼくは酒場以外の場所だと落ち着かない。せっかくのごちそうも五分で平らげて、そわそわする。あっという間に店を出て、ふたりでクリスマスの飾りのある街を歩く。

 そんな歌の中で《理解されたいと……》の詞がくりかえされる。

 オグラさんとはじめて会ったのは『架空の冒険者』が出るすこし前だ。その後、バンドは解散し、オグラさんはソロ活動をはじめた。
 そのころのオグラさんの印象は、才能のかたまりが酔っぱらって歩いているかんじだった。

 オグラさんの歌の中には、いろいろ形を変えたオグラさんがいる。楽しそうな曲でも所在ないおもいやいたたまれない気分が根っこにある。

 だから聴いていると、自分の心細さや気まずさがふいに呼び覚まされて、たまに困る。