2008/03/08

背を向けて去る

 この間いろいろごちゃごちゃ考えていて、つまり、なんというか、小さな欲しかないと、何かをなしとげようという意欲があまり出ないと。たとえば、家でごろごろしながら、中古レコードを聴いて、古本を読んで、酒を飲んでといれば、満足だという人間がいたとする。しかしそういう生活を続けていると、向上心がだんだんなくなってきて、このままでいいやとおもえてくる。
 それでも別にいいではないかとおもいつつ、このかんじでこのままいくと、何にもしたくなくってしまいそうになる。新しいものに興味がもてず、昔の本やレコードをくりかえし読んだり、聴いたりしていれば、充分なわけだ。すでにそうなりつつある、なっているかもしれない。

 自分のことだけでなく、世の中にたいしても、これ以上、便利にならなくてもいいやとおもう。これ以上、豊かにならなくてもいいじゃないかともおもう。スローライフというより、たんに面倒くせえという気分に近い。

(……以下、『活字と自活』本の雑誌社所収)