長野で稲刈りを手伝ったとき、米といっしょに大量に栗をもらった。米を炊くたびに栗ごはんを作っていたら、太った。栄養あるんだな、栗。
九月末に上京した藤井豊さんも一ヶ月滞在し、岡山に帰る。
先週は何日か古本まつりの神保町をぶらぶらした。三十代のころ、生活を切りつめながら買った本がことごとく安くなっている。古山高麗雄の署名本を何冊も見かけた。
生活が落ち着いている時期(当社比)は、息抜きの読書が増える傾向がある。
すこし前に出た新刊だけど、平坂寛著『外来魚のレシピ 捕って、さばいて、食ってみた』(地人書館)は、想像以上におもしろかった。エンタメノンフィクション系といってもいいかもしれない。カミツキガメやアリゲーターガーも捕まえて料理する。からだを張りながら綴った文章の熱量がすごい。著者略歴を見たら、一九八五年生まれ——いろいろな意味でうらやましい。
《釣ってやる! 餌は俺の指だ!》
《もう釣り竿すら要らん!》
《逃がす? 飼う? 否、食べる!》
人類と魚類の異種格闘技を見ているかのような気分にさせられる本だ。
楽な生活より、おもしろいことに夢中になっている生活のほうが楽しい。釣りの本を読みはじめて、釣りがしたくなったのは、釣り界って変人がいっぱいいて、楽しそうだなとおもったからである。
部屋にこもって本ばかり読む生活をすこし変えたい。月に一回くらい行ったことのない場所に行って、海や川でぼーっとしたい。できれば、寒がりも克服したい。