……なるべく悲観せずにすむ未来も考えたい。
と、書いた翌日、『仕事文脈』の最新号が届いた。この号の特集は「大きい仕事、小さい仕事」。ほんとうに楽しみな雑誌だ。とくに佐野和哉さんの「無職の父と、田舎の未来について」という連載は毎号読ませる。トマソン社が広告を出していた。
わたしはそれほど裕福な暮らしを望んでいるわけではなく、ほどほどに働いて、好きなことをして生きていきたい。それがむずかしいといえば、むずかしいのだけど、わたしの希望はそれに尽きる。
働き方の多様性——いや、そんな大げさな話ではなく、自分に合った仕事のしかたを考えることが、暮らしやすさ、生きやすさにつながるのではないか。『仕事文脈』のテーマは一言ではまとめることはできないけれど、ちょっとやる気のない人向けの仕事雑誌ではないかとおもっている。ちがっていたら、すみません。
ひとつの会社を定年まで勤めて、その後は年金で悠々自適の暮らしを送るというような人生設計は今さら望んでもしかたがない。
生涯ひとつの仕事だけをやり通すことも簡単ではない。
うまくいかないこともふくめて、もうすこしゆるく、幅広く仕事を考えていきたい。
すこし前に読んだ塩見直紀著『半農半Xという生き方 決定版』(ちくま文庫)は、そういう意味でも大きなヒントをもらった。「半農」の部分、自分が農業に向いているかどうかは、やったことがないのでわからない。「半農半X」は、農業を基本に「X」で自分の好きなことをやるというような趣旨なのだけど、「半X半Y」と考えて、「X」と「Y」はそれぞれ「できること」「やりたいこと」を代入することもできそうだ。
半分ずつである必要もなく、自分の仕事を三分割、四分割していくという方法もあるとおもう。
不景気とか、人口が減るとか、過疎化とか、そういうこともけっこう考えてはいるのだけど、あまりにも問題が大きすぎて、途方に暮れてしまう。
とりえあず、近所付き合いを大事にするとか、無駄な出費を見直すとか、なるべく不機嫌を抑えるとか、そんなところからはじめようかとおもっている。