2009/02/25

腰痛

 日曜日、腰痛になる。寝る起きる。立つ座る。そうした動作のたびに小さな痛みが走る。安静あるのみ。無理は禁物。とはいえ月末、仕事がつまってきている。いちばん追い込みの時期なのに。
 いろいろ原因を考えるが、おもいつかない。気温の変化、疲れ、そんなところだろうか。同じ姿勢を長く続けるのはよくない。とくにコタツ。ここ数年、用心していたのだが、油断した。

 ナボリンを飲みながら、休み休み、原稿を書く。ひさしぶりに机で仕事する。三十分仕事して一時間横になるというペース。
 もうすこし無理がきくようにからだを鍛えるか。無理をしないですむ方法を身につけるか。
 神経痛持ちだった「冬眠居」こと尾崎一雄は冬のあいだあまり仕事をしないようにしていた。
 生活を見直そう。

 腰痛三日目。すこしだけ痛みがやわらいできた気がする。
 まだ靴下をはくのがむずかしい。

2009/02/18

告知いろいろ

 仕事で神保町へ。東京堂書店、三省堂書店、書泉グランデ、岩波ブックセンターをまわる。
 東京堂の三階で畠中さんに神戸の海文堂書店の福岡さんが上京していたことを教えてもらう。[書評]のメルマガ vol.397を読んでいたら、「エエジャナイカ」の北村知之君が「先週より神戸元町の海文堂書店に勤めることになりました」と近況報告していた。

 四谷書房日録(http://d.hatena.ne.jp/yotsuya-shobo/)の「ふるほん文庫やさんの280円文庫」の話を読んで、東京堂書店のふくろう店に寄ってみた。全品二百八十円という貼紙があったけど、値札がそのままだったので、レジで「ほんとうに二百八十円なんですか?」と確認してしまった。図書カード(京都河原町の六曜社のちかくの金券ショップでは一万円のカードが九千六百円で買える)が使えるのも嬉しい。

 三月は古本イベントがいろいろあります。

◎第13回 古書往来座外市〜街かどの古本縁日〜 
開催日:3月7日(土)〜8日(日)
時間:7日午前11時ごろ〜午後7時、8日正午〜午後6時
会場:古書往来座 外スペース
“古本ソムリエ”山本善行さん参戦!
詳細はhttp://d.hatena.ne.jp/wamezo/20090201


◎BOOKMARK NAGOYAイベント
◆「東西古本よもやまはなし sumusの集い」
日時:3月20日(金)午後6時〜 
会場:シマウマ書房
参加費:1000円
出演:林哲夫、岡崎武志、山本善行、南陀楼綾繁、荻原魚雷、扉野良人
詳細は→http://www.shimauma-books.com/
「一箱古本市 in 円頓寺商店街」
日時:3月21日(土)・22日(日)
時間:午前11時〜午後4時
詳細はhttp://www.bookmark-ngy.com/hitohako

◆古本市巡りが何倍も楽しくなる、「一箱古本市ツアー」
日時:3月21日(土)午後2時〜/午後3時〜(2回)
集合場所:円頓寺商店街ふれあい館前
案内人:林哲夫、岡崎武志、山本善行、南陀楼綾繁、荻原魚雷、扉野良人

◆古本大学in円頓寺キャンパス 
日時:3月21日(土)午後5時〜午後6時30分
場所:那古野コミュニティーセンター
講師:林哲夫、岡崎武志、山本善行、南陀楼綾繁、荻原魚雷、扉野良人

※名古屋リブロのAさんからブックマーク・ナゴヤ期間中に中嶋大介さんのアホアホ本イベントも急遽開催が決まったという連絡がありました。
詳細はwww.bookmark-ngy.com/event_information/116


◎「さんどめ さんがつ にのにのいち」
2009年3月7日(土)、8日(日)
13日(金)、14日(土)、15日(日)
20日(金)、21日(土)、22日(日)
(出展者…M堂/エス堂/古本教育/古書くらしか/貸本喫茶ちょうちょぼっこ)

「くらしか視聴覚教室 vol.1 100円ジャンボリー」
日時 :2009年3月8日(日)19時頃から
ゲスト :中嶋大介(オンライン古書店BOOKONN店主、『アホアホ本エクスポ』BNN著者)
「古書くらしか」さんと中嶋大介さんが100円で買った中古レコードと古本を持ちより雑談するそうです。

詳細は貸本喫茶ちょうちょぼっこ http://www.geocities.co.jp/chochobocko/

2009/02/17

たぶん気のせい

 三千円のCDプレーヤーにかえたら、音がぬるくなった気がした。ところが、一日、二日すると慣れた。わるくない。気のせいだったか。
 ポータブルプレーヤーの横にボリュームがついていることを見落としていて、音量を小さくしたまま、アンプにつないでいた。ボリュームを上げたら、音がよくなった。

 ケーブルそのほかをかえたら、もうすこしいい音がするだろう。でもそこまでしなくてもいいやという気になった。
 自分の感覚を疑うこと。
 言葉も。

 新しいCDデッキを買うため、漫画とCDを売ろうとおもっていた。
 中野ブロードウェイで換金したら、一万円ちょっとになった。予想より高く売れた。嬉しくて五千円分くらい本を買った。古書うつつに『詩人会議』の黒田三郎の追悼号があった。ずっと探していた雑誌。そのあとあおい書店で書評の資料を五千円分くらい買い、プラスマイナスゼロ。
 喫茶店に行くのをガマンした。

 家でコーヒーを飲む。すこし仕事をする。

 夜、コクテイル。
 帰りに『大岡昇平対談集』(講談社)を買う。水割一杯分くらいの値段。
 対談相手は、桑原武夫、中村光夫、水上勉、開高健、藤原彰、吉田満、吉本隆明、秋山駿、石原吉郎、本多秋五、平野謙、菊地昌典。うーん、すごい。

2009/02/16

ブラザー軒

 ブックマーク・ナゴヤに向けて、古本のパラフィンがけ、値付をはじめる。
 この本は外市、この本は火星の庭かなあ、と勘で選り分けながらの作業。値段も勘。売るかどうか迷っている本は、心なしか値段がちょっと高くなる。そして引っ込める。衝動買いではなく、衝動売りというのもあるんですね。

 パラフィン紙がなくなったので、阿佐ケ谷の文房具屋に行く。百枚買う。
 そのあと荻窪まで歩く。ささま書店に寄って、タウンセブンで焼さば寿司。

 CDデッキが壊れた。これで何台目か。中古のアンプは健在なのに、CDデッキはすぐ壊れる。こんなにすぐ壊れるんだったら、安いのでいいやとおもい、三千円ちょっとのポータブルCDをオリンピックで買ってきてアンプにつなぐ。
 新しいCDデッキの音を確認するときは、かならずスティーリー・ダンの「Aja」をかけるのだが、んん? なんかちがう。音が、ぬるい。
 CD一枚分くらいの値段のポータブルプレーヤーだから、贅沢はいえない。やっぱり、ちゃんとしたデッキを買おうとおもう。
 安物買いの銭失いか。うむ。

《ぼくに困ることがなくなったら、詩なぞ書かなくなるだろう。そんなとき、嫌味なぼくができあがるだろう》(菅原克己著『詩の鉛筆手帖』土曜美術社)

 菅原克己は室生犀星の初期の詩を読んで詩作をはじめたという。

 菅原克己は宮城県出身。
 亘理郡亘理町。仙台からやや南、阿武隈川のそば。三歳のときに仙台に引っ越している。菅原克己の詩の「ブラザー軒」はいまも仙台にある。まだ行ったことはない。

《東一番丁、
 ブラザー軒。
 たなばなの夜
 キラキラ波うつ
 硝子簾の向うの闇に。》

 子どものころ、菅原克己は七夕の季節(旧暦かな?)になると、家族そろって、仙台の東一番町に出かけたそうだ。

2009/02/15

酔っぱらいのことば

 仕事せんとなあとおもいながら、部屋の掃除、洗濯、アイロンかけで一日が終わる。
 何かをするときに、プラスになるか、マイナスになるか、そういうことを見極めないとなかなか動けない。で、その状態にある自分に苛立ったり、落ち込んだりする。
 京都にいって、まほろばで飲んでいたとき、オクノ修さんが隣にいた。酔っぱらっていたから、その真意が理解できたかどうかはわからないけど、歌をうたう、表現するというのは、仕事とかなんとか以前に、わけもわからず歌いたい気持のようなものがあって、それがあるかないかが大事なんだといっていた。
 東京に帰ってきてからも、しばらくその言葉が頭から離れなかった。

 土曜日、高円寺古書会館。『定本 菅原克己詩集』(永井出版企画)の署名本があった。署名がなくてもほしかった本。

 一九三六年、二十六歳のときの菅原克己の年譜——。

《この頃、長谷川七郎に連れられて、高円寺の「噺の家」という喫茶店で「詩行動」の秋山清、清水清といった詩人たちに初めて会う。「噺の家」は無政府共産党事件で留置された植村諦の夫人がやっていた店で、アナキスト詩人たちのたまり場でもあった》

 ここ数年、詩人の長谷川七郎、植村諦は気になっている。「強固な精神構造を持った先輩」の秋山清も再読したい。

2009/02/12

なにをするでもなく

 また大阪、京都へ。二週連続。数日前まで風邪で寝込んでいたが、すっかり回復した。

 土曜日の仕事のあと、そのまま東京駅に行って新大阪。そこから中津に出て、BOOKONNの中嶋大介さんの家に。
 大阪に着いた途端、花粉症のような状態になってしまう。
 翌日、大阪古書会館。初日ではなかったけど、いい本が残っていた。ちょっと高円寺の西部古書会館の古書展と雰囲気が似ているかも。安さは高円寺のほうが過激だとおもう。ただ、五百円から千円くらいで、けっこう珍しい本が買えるなあという印象だ。

 そのあと梅田の阪急かっぱ横丁に寄って、京都へ。薬局で鼻炎の薬を買う。飲んだらなおった。ジュンク堂書店京都店で石丸澄子さんと待ち合わせして、徳正寺に行く。かやくごはん、ごちそうになる。
 夜、拾得でふちがみとふなとと上野茂都さんのライブ。石丸さんは、ふちがみとふなとの「ふなとベーカリー」のシングルのジャケットを手がけている。

 ライブのあと、わたしはまほろばへ。オクノ修さんとキョージュ、薄花葉っぱの下村さんがいる。オクノさんの話が、おもしろく、考えさせられた。生活の安定と表現の関係のことについて。

 翌日、出町柳のコインロッカーに荷物をあずけ、古本屋めぐり。ガケ書房に行く。古本コーナーが充実していた。遅ればせながら、『大阪人』の三月号「特集 続々古本愛」を購入。
 それから京都造形大学のGALLERY RAKUで「人生劇場」と題した鬼海弘雄の展覧会を見る。いい顔のおっさんがいっぱい。
 そのまま歩いて、恵文社一乗寺店。

 二時半、六曜社で扉野良人さんと待ち合わせのため、河原町に行くと、レンタサイクルに乗った古本酒場コクテイルの狩野さんとバッタリ会う。なんで、こんなところで? どうも狩野さんは道に迷っていたようだ。

 六曜社のあと、扉野さんと古い中華料理屋でビールとギョーザ。羽良多平吉さんが、この店の近くの橋の下で、釣りをしていたら、テレビに取材されて、放映されたという話がおかしかった(たまたまその番組を北村知之君が見ていたらしい)。鴨川沿いを歩いて、そのあと書砦梁山泊に行く。
 長年の探求書だった『筑摩書房の三十年』(和田芳恵執筆、非売品)があり、すこし高かったけど、おもいきって買う。昔、山本夏彦さんに会ったとき、この本をさがしているといっていた。
 梁山泊から少し歩いて、mizukaという喫茶店に行く。アホアホ本の中嶋さんの個展もやったことがあるという店。
 ほんとうはこの日、東京に帰るつもりだったが、コーヒーを飲んでいるうちに、だんだん帰りたくなくなって、もう一泊することに。

 夜、鍋をごちそうになる。うまかった。

2009/02/03

辻潤の書画

 一月三十一日の夜から京都へ。電車の中で、坂口安吾の『風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇』(岩波文庫)を読む。ほとんどの登場人物が実名で出てくる。
 七北数人編の年譜も充実していて、読みごたえがあった。
 ちょうど京都行の新幹線の中で読んだこともあって、一九三二年、安吾、二十六歳のときのこんな記述が気になった。

《三月初め頃から約一カ月、京都へ旅行。河上徹太郎の紹介で京大仏文科卒業まぎわの大岡昇平を訪ね、大岡の世話で独文科の加藤英倫が住む左京区八瀬黒谷門前のアパートに部屋を借りる》

 そのあと安吾は詩人から小説家になることに決めたそうだ。
                *
 京都では徳正寺でおこなわれた辻潤の書画十数点の撮影に立ちあうことになった。岡山から友人のカメラマンの藤井豊君も大きな機材を持ってやってくる。
 扉野良人さんが上京したときに、たまたま藤井君もうちに来ていて、それからいろいろあって、今回の話になった。

 前にも書いたかもしれないけど、扉野さんと知りあったのも辻潤が縁だった。
 ある編集者に「辻潤のことが好きな学生がいるんだけど」と紹介してもらい、高円寺の飲み屋で会った。
 藤井君も、学生時代からの友人のライターが自分の同級生に岡山で写真をとっているおもしろいやつがいるという話を聞いて、上京をすすめたら、その数日後、いきなり鞄ひとつで東京にやってきて、そのまま高円寺に住み着いてしまった。
 今は岡山で宅配便の仕事をしながら、写真を撮っている。

 掛け軸の撮影中、虚無思想研究会の大月健さん、久保田一さんにいろいろ解説してもらいながら、書画のほか、めずらしい資料をたくせん見せていただいた。

 日曜日の夜は、元田中のザンパノ。「浮田要三選 青谷学園/ふゆてん 人間の基本を訴える作品群」というイベント。カリキリンと名古屋のバンド、Jaaja(ジャージャ)のライブ。
 カリキリンは童詩雑誌『きりん』の詩に曲をつけてうたうという薄花葉っぱの下村よう子さんと宮田あずみさんのユニット。
 ジャージャをみるのは、はじめてだった。手づくりのかぶりものをかぶって登場、ヨーロッパの民謡風のカラフルな音、詩とちょっと情けないかんじの声(非常に好み)がすごく合っているなあとおもった。
 メンバーは音楽活動だけでなく、同じ名前で喫茶店経営、雑貨の制作、販売もしているとのこと。

 日中ぶっとおしの撮影で疲れていた藤井君も急に元気になってステージ最前列で写真を撮りまくっていた。打ち上げにも参加。ザンパノの料理、うまかった。
 そのあとザンパノのちかくのたこ焼屋でたこ焼を注文。すこし時間がかかるというので、扉野さんの案内ですぐ隣の中華料理屋でビールを飲んだ。

 翌日、また撮影。
 この書画の写真は、扉野良人さんの作っている『ドノゴトンカ』の創刊号に掲載される予定です。
 詳細がわかりしだい、また報告します。