2021/04/22

隣町珈琲の本

 月曜日、仕事部屋でTBSラジオ「赤江珠緒 たまむすび」を聴いていたら、小田嶋隆さんのコーナーの冒頭で『隣町珈琲の本 mal"』の話(四月二十七日発売)をしていた。隣町珈琲は平川克美さんの店。『mal"』は喫茶店が発行元の文芸誌である。

『mal"』の特集は「記憶の中の本と街」。関口直人さん、島田潤一郎さん、平川克美さんの鼎談「『昔日の客』が残したもの」では山王書房の関口良雄さんの貴重な写真も多数ある。古本好きは永久保存版でしょう。
 わたしは岡崎武志さんと「安い古本と“高円寺”がオレたちの青春ダ!!」という対談をした。座談会も対談も動画で観ることができるが、雑誌で読めるのが嬉しい。
 岡崎さんとの対談で五十歳になった感慨を訊かれ「何でしょうか、もういい」と答えている。ちょっと補足すると「(自分のことだけやるのは)もういい」という気持になったんですね。
 十九歳でライターになって以来、どうやって生きていくか——自分のことばかり考えていた。それは「もういい」かなと。もちろん働かないと食べていけないわけだが、生活費を稼ぐ手段は文筆業である必要はない。仕事が減ったら他にやりたいことをやればいい。そうおもったら気が楽になった。

 この先、気が変わるかもしれないが、「場所」や「受け皿」を作る仕事に興味が出てきた。