2015/04/27

もうすこし外に

 土曜日、めずらしく午前中に目がさめたので西部古書会館。石原吉郎『望郷と海』(ちくま文庫)、水木しげる『丸い輪の世界』(講談社漫画文庫)など。最近、読書における詩の成分が足りないような気がしている。余裕がないのか。
 よく寝ているし、体調は問題ないのだが、家にこもっている時間が長くなると外に出たときに神経が過敏になる。電車の中の会話でイライラしたり、近くに人がいるだけで疲れたり……。よい傾向ではない。

 月曜日、正午、歯医者で奥歯を治療する。歯医者は四年ぶり。そろそろコタツ布団をしまおうかどうか迷ったが、今日はやめた。
 午後二時ごろ、ささま書店に行く。辻征夫の署名本+手紙が売っていた。もちろん、買う。『さいとう・たかをの劇画専科 高等科コース』(リイド社)が五百円! これは嬉しい。
 あたたかくなったのですこし歩こうとおもい、徒歩で荻窪から西荻窪へ。かれこれ十五年ほど前は、自転車で吉祥寺くらいまで行っていたのだが、荻窪〜西荻窪間はよく道に迷った。まっすぐ行けない。ひさしぶりに歩いたら、なんとなく道をおぼえていた。

 家に帰ると『週刊エコノミスト』(五月五月・十二日)が届いていた。この号は古本特集でわたしも執筆者のひとり。北條一浩さん、岡崎武志さん、小山力也さん(古ツアさん)も登場……。

 南陀楼綾繁さんの新刊『ほんほん本の旅歩き』(産業編集センター)を読みはじめる。佐藤純子さんがイラストを描いている。
 盛岡から鹿児島まで。津にも行っている。この本の中に「ナンダロード」という言葉が出てくるのだが、南陀楼さんはおもしろい場所を紹介するだけではなく、場所と場所をつなぐ「道」を作る人なのだとおもった。一箱古本市から十年ちょっとのあいだに、ほとんど全国網といっていいくらいの本の道ができている。

 最近、旅をしない言い訳ばかりしている。これもあまりよい傾向ではない。