シマウマ書房の鈴木創編著『なごや古本屋案内 愛知・岐阜・三重』(風媒社)が届いた。名古屋市内の古本屋でも知らない店がけっこうある。三重に帰省するときに、駆足でまわるくらいで、一軒一軒じっくり立ち寄ったことはほとんどない。
予備校時代は千種と鶴舞界隈の古本屋に行っていた。あと新刊書店のちくさ正文館、ウニタ書店でカルチャーショックを受けた。夏季講習や冬季講習のお金は、古本と漫画喫茶代に消えた。今おもえば、極めて正しいお金のつかい方だったわけだが、そのことがバレて、親にものすごく怒られた。
二十五年前の話である。
名古屋はいまだに土地勘がなくて、地下鉄をよく乗り間違えてしまう。
三重県は伊勢市の古本屋ぽらん一軒のみ。
夕方、神保町。神田伯剌西爾のち神田古本まつり。といっても、買ったのは清岡卓行著『大連港へ』(福武文庫)一冊だけ。この中に「野球という市民の夢」という章があって、これが読みたかったのだ。
清岡卓行著『猛打賞 プロ野球随想』(講談社)に、株式会社日本野球連盟の社員だったころ、「一試合三安打以上の選手へ贈る猛打賞」をおもいついたという記述がある。
『大連港へ』の文庫はずっと探していたのだが、なかなか見つけることができなかった(それほど入手難の本ではないとおもうのだが)。探していたことさえ忘れたころに見つかった。
それで満足して、今日はもういいやとおもってしまったのは、今、蔵書の整理に追われているからだ。
新しいことをはじめるためには余白がいる。余白を作らないと新しいことがはじめられない。
というわけで、京都のガケ書房の「『本』気の古本週間」(十月三十一日〜十一月十四日)に、文壇高円寺古書部も本を送りました。
2013/10/30
徒歩主義
急に寒くなった。冬が近づくにつれて、気が滅入りがちになるのはいつものことだ。
腰痛持ちにはつらい季節である。
からだを冷やさず、疲れをためず、適度にからだを動かす。寝つけないときは葛根湯を飲む。予防策はそのくらいなのだが、どうにか春までのりきりたい。
どうしてもポテンシャルの低い身体で暮らしていくには、自分の心身をコントロールする必要がある。
ただし、無理せず、ケガせず、ということばかり考えていると、思考も保身に傾く。この問題をどうするかは、四十代の課題のひとつだ。
本多静六著『私の生活流儀』(実業之日本社文庫)の「眠りを深くするには」を読んでいたら、「やはりそうか」とおもったところがあった。
(……以下、『閑な読書人』晶文社所収)
腰痛持ちにはつらい季節である。
からだを冷やさず、疲れをためず、適度にからだを動かす。寝つけないときは葛根湯を飲む。予防策はそのくらいなのだが、どうにか春までのりきりたい。
どうしてもポテンシャルの低い身体で暮らしていくには、自分の心身をコントロールする必要がある。
ただし、無理せず、ケガせず、ということばかり考えていると、思考も保身に傾く。この問題をどうするかは、四十代の課題のひとつだ。
本多静六著『私の生活流儀』(実業之日本社文庫)の「眠りを深くするには」を読んでいたら、「やはりそうか」とおもったところがあった。
(……以下、『閑な読書人』晶文社所収)
2013/10/22
食べていくこと
十月十九日、東京堂書店で内堀弘さんの『古本の時間』(晶文社)と石田千さんの『石田千作文集 きつねの遠足』(幻戯書房)の刊行記念トークショーを見に行く。
自分たちの本の話ではなく、『彷書月刊』の田村治芳さん、中川六平さんの話がほとんどだった。
*
それから告知ですが、来月のみちくさ市の「古本流浪対談」最終回は、『古本の時間』刊行記念で内堀弘さんと対談します。
荻原魚雷(ライター)×内堀弘(石神井書林店主)
「あるものでやる 古本屋で食べていくこと、ライターで食べていくこと」
■日時 2013年11月17日(日)
■時間 15:30〜17:00(開場15:10〜)
■会場 雑司が谷地域文化創造館 第2・3会議室(会場変更になりました)
■定員 40名
詳細は、http://kmstreet.exblog.jp/18596687/
(予約は10月23日から)
みちくさ市トークも最終回。今回のテーマは仕事の話です。「ライターで食べていくこと」については、収入の大半がアルバイトだった時期のほうが長く、というか、アルバイトをしていない時期はほとんどないというのが実情でして……。
『古本の時間』の中に「古本屋はずっと小さな規模だけれど、なによりも個人の志で書店を作ることができる。なにしろ、いつまでも食うや食わずなのだ。幸せな苦労が残っている最後の場所なのだと思う」という文章がある。
「個人の志」「幸せな苦労」——自分がずっと仕事に求めていたことも、そういうものかもしれない。
今回の内堀さんの本は「若手」の古本屋さんに向けたメッセージのようなものがけっこうあるとおもった。
「今」から「何か」をはじめるむずかしさ——古本屋の仕事にかぎらず、さまざまな困難がつきまとう。
正直、楽に食べていく方法なんてない。そんな方法があったとしても通用するのは一瞬だろう。
どうすれば「個人の志」を貫き(守り)、困難を「幸せな苦労」に変えることができるのか。
それが簡単にわかれば、苦労はない。
自分たちの本の話ではなく、『彷書月刊』の田村治芳さん、中川六平さんの話がほとんどだった。
*
それから告知ですが、来月のみちくさ市の「古本流浪対談」最終回は、『古本の時間』刊行記念で内堀弘さんと対談します。
荻原魚雷(ライター)×内堀弘(石神井書林店主)
「あるものでやる 古本屋で食べていくこと、ライターで食べていくこと」
■日時 2013年11月17日(日)
■時間 15:30〜17:00(開場15:10〜)
■会場 雑司が谷地域文化創造館 第2・3会議室(会場変更になりました)
■定員 40名
詳細は、http://kmstreet.exblog.jp/18596687/
(予約は10月23日から)
みちくさ市トークも最終回。今回のテーマは仕事の話です。「ライターで食べていくこと」については、収入の大半がアルバイトだった時期のほうが長く、というか、アルバイトをしていない時期はほとんどないというのが実情でして……。
『古本の時間』の中に「古本屋はずっと小さな規模だけれど、なによりも個人の志で書店を作ることができる。なにしろ、いつまでも食うや食わずなのだ。幸せな苦労が残っている最後の場所なのだと思う」という文章がある。
「個人の志」「幸せな苦労」——自分がずっと仕事に求めていたことも、そういうものかもしれない。
今回の内堀さんの本は「若手」の古本屋さんに向けたメッセージのようなものがけっこうあるとおもった。
「今」から「何か」をはじめるむずかしさ——古本屋の仕事にかぎらず、さまざまな困難がつきまとう。
正直、楽に食べていく方法なんてない。そんな方法があったとしても通用するのは一瞬だろう。
どうすれば「個人の志」を貫き(守り)、困難を「幸せな苦労」に変えることができるのか。
それが簡単にわかれば、苦労はない。
登録:
投稿 (Atom)