2022/11/29

横浜

 十一月二十五日(金)の午後一時すぎ、新宿駅から湘南新宿ラインに乗る。武蔵小杉駅をすこし過ぎたところで富士山が見えた(建物の間から、ほんのちょっとだけ)。

 横浜駅で地下鉄(みなとみらい線)に乗り換え、元町・中華街駅へ。
 以前は東横線で桜木町駅まで行くことが多かった。何度も降りているのに横浜の地下鉄はいまだに迷う。目的地の反対側の出口(中華街のほう)から出てしまう。中華街でちまき、まいばすけっとでビールを買い、公園で飲み食いする。
 数日前に阿佐ケ谷の古本屋で神奈川近代文学館の川端康成の文学展の招待券をもらっていた。川端展は過去にもいろいろな文学館で開催されている(文学展パンフの数も多い)。書画骨董などのコレクションがすごい。三島由紀夫といっしょの写真を見て、今、小説をまったく読まない人でも顔と名前を知っている作家はどのくらいいるのかと考える。展示を見て、吉田健一と川端康成の文学展パンフを買う。

 関内駅まで歩いて地下鉄で弘明寺(ぐみょうじ)駅へ。前号の『フライの雑誌』の取材(大岡川沿いを歩いた)を通して好きになった町だ。鎌倉街道らしき道も通っている。

 地下鉄ブルーラインと京急の駅のあいだの商店街がいい。

 柳屋という衣類などの激安店があり、新調したいとおもっていた掛け布団カバーを買う。五百九十八円だった。前に行ったときは九十八円の枕カバーを買った。
 地下鉄の弘明寺駅に着いたのが夕方で京急の弘明寺駅あたりで日没になる。
 駅から坂と階段をのぼったところに弘明寺公園があり、横浜の夜景の名所としても有名だ。前に弘明寺に行ったときはまだ明るい時間帯だったので夜景は見ていない。
 公園の展望デッキも登る。西の空はかすかに夕焼けが残っていたが、港方面は見事な夜景だった。高校生くらいのカップルが二組いた。邪魔したな。

 帰りは京急で品川駅まで行こうかどうか迷ったが、横浜駅でJRに乗り換えると電車が遅延——すぐ改札で払い戻し、東急に乗り換え、渋谷駅へ。渋谷もひさしぶり。渋谷ヒカリエで惣菜を買う。
 新宿駅からJR総武線に乗ると映画「月の満ち欠け」の中吊り広告があった。映画の宣伝と横に岩波書店の佐藤正午の単行本と文庫の広告も。この日、行き帰りの電車の中で佐藤正午著『小説家の四季 1988−2002』(岩波現代文庫)を読んでいた。

 一時期激減していた電車の中吊り広告がやや復活したような気がする。

2022/11/27

狛江

『フライの雑誌』最新号(126号)届く。わたしは島村利正と多摩川の話を書いた。島村は狛江市に長く暮らしていた作家で釣りも好きだった。島村利正著『随筆集 多摩川断想』(花曜社)を読んで、狛江を歩きたいとおもっていた。
 十月下旬、はじめて小田急の狛江駅で降りた。さらに十日後——。

 先日、三重と大阪に行った帰り——郷里の家から朝六時前の電車で名古屋に出て、名鉄の特急で豊橋まで行き、JRの在来線で浜松駅で下車。馬込川をすこし歩いて、金券ショップで新幹線の切符を買い、こだまで小田原駅まで行き、小田急に乗り換える。
 途中、登戸駅で下車した。多摩川沿いの登戸の渡し(跡地)を見て、多摩川水道橋を渡り、狛江駅へ。短期間に二度狛江を訪れた。
 前に歩いたときには寄らなかった南口の商店街を散策する。住宅街も歩いた。荷物がなければ、野川まで歩きたかった。

 一、二度、訪れたくらいでは何もわからない。それでも町の名前を聞いて、ぼんやりと風景が頭に浮ぶ。今はそういう町が増えることが楽しい。降りたことのない駅、見ていない川——すこしずつ歩きたいとおもっている。家でごろごろしている時間が外でだらだらしている時間になっただけともいえる。

2022/11/22

籠原観音

 昨日に続いて野方を散歩する。暇なのかといわれたら、そうでもない。この日、最高気温は二十度。歩いているうちに暑くなる。福原麟太郎の「篭原観音その後」にあった観音様の石像とお堂を見に行く。高円寺駅から緑野中学校までは約三キロ。野方のあたりからは環七ではなく、住宅街を通った。オイルコンパスを見ながら、わからなくなったら、とりあえず北に向う。籠原観音は何の説明もなければ道祖神かなと。観音像と道祖神のちがいはよくわからん。お堂はコンクリート製で屋根もある。お堂のあちこちにステッカーが貼られている。すぐ側に案内板もあったが、メモはとらなかった。

 中野区と練馬区の境を流れる江古田川——旧丸山小学校付近は暗渠になっていた。いつか江古田川沿いも歩きたい。

 豊玉氷川神社に寄り、豊玉中あたりをうろうろして、福原麟太郎の散歩コースを想像しながら練馬駅を目指す。豊中通りを歩いていたら東武ストアがあった。寿がきやの「岐阜タンメン」(インスタントの袋麺)と天むす(三個入り)を買う。東武ストア、寿がきやのインスタントラーメンが四種類も売っていた。籠原観音から練馬駅までは二キロくらいだが、いろいろ寄り道したり遠回りしたので、もうすこし歩いたかもしれない。それでも(高円寺から練馬までの)万歩計の歩数は一万歩未満だった。

 午後三時すぎ、練馬駅北口から高円寺行きのバスに乗る。駅前付近はバスが動かなくなることが多いので一つ手前の停車所で下車した。

(追記)
 練馬駅のバス停に成増駅(板橋区)行きのバスがあることを知る。ルートを調べたら東武東上線の下赤塚駅も経由する。下赤塚はわたしが上京して最初に住んだ町だ(半年くらい)。地図を見ると、高円寺駅〜野方駅〜練馬駅〜下赤塚駅は南北、縦に並んでいる。