怪獣造形師の村瀬継蔵さんのドキュメンタリー映画『怪獣と老人』が来月十月十三日(月・祝)に池袋HUMAXシネマズで特別公開(十四時二十分〜)。昨晩、そのチラシをもらった。
監督の中野伸郎さんとペリカン時代で知り合い、編集中の映像を見せてもらったり、いっしょにタイトルを考えたりした。村瀬継蔵さんの風貌や一人暮らしの様子がよかった。記憶に残る言葉もいくつかある。好きなことを仕事にし、生涯、情熱を捧げる。変人っぽさとかっこよさが同居している感じの老人だった。
音楽は増岡謙一郎さん(ペリカンオーバードライブ)が担当。新曲二曲、素晴らしい。
映画の話から離れるが、この数年、老年期の創作について考えている。
十代二十代の激しく煌めくような才能によって生み出された作品とちがい、老年の作品は継続の末にたどりつく境地のようなものが味になるのではないか。といっても、枯淡の味わいとかそういうものばかりではない。長い年月、お金にならない趣味にのめりこみ続けてきた結果、面白おかしくなる人がいる。その人なりに地道な努力、勉強をしているのだが、世の中の風潮とちょっとずつズレていき、気がつくと、わけがわからないものを作り続けている。
結局、“正解”がない世界なのだとおもう。長い時間をかけてようやく辿りついた自分の“正解”ですら壊したり、崩したりの連続である。