近所のコンビニエンスストアの新聞のコーナーで『丸ごとスワローズ』(サンケイスポーツ特別版)というタブロイド紙の創刊号を買う。三百円。
ヤクルトファン以外はまず買わないとおもわれる新聞である。
子どものころ、若松勉さんの大ファンだった(もちろん今も)。「小さな大打者」といわれ、フェンス際の打球をジャンプしてとるのがうまかった。通算打率(四千打数以上)が三割一分九厘というのは、日本人選手の中でトップである(一位はリーの三割二分)。
近鉄沿線に住んでいたので、郷里(三重)にいたころは、ヤクルトと近鉄バファローズを応援していた。
だからというわけではないが、近鉄からヤクルトに移籍し、メジャーでも活躍した吉井理人投手にはおもいいれがある。
新刊の吉井理人著『投手論』(PHP新書)もすぐ読んだ。
《僕と同じ時期にメジャーで活躍した伊良部秀輝は、ボールの出どころがわからない投げ方を「スモーキー(煙)」と呼んでいた。メジャーで長く活躍する投手は、たいがいスモーキーなフォームのピッチャーだ。(中略)一方、スモーキーでない投手の場合、リリースの瞬間をしっかり見られるだけでなく、ボールの軌道までが線で打者に感じとられてしまうことから、打ち頃の球になる》
球の速さや勢いだけではプロの世界ではなかなか通用しない。投手にとっては、癖のないきれいなフォームよりも打者から見えにくい変則フォームのほうが利点になる。
強気で闘志あふれるピッチングが持ち味のようにおもっていたのだが、吉井投手自身、「スモーキー」なピッチャーで、打者との駆け引きに神経をつかっていたという。
プロの世界で生き残るための工夫というのは、ジャンルがちがっても何かと勉強になる。わかりやすい文章を書くこということは、投手でいえば、コントロールのよさに相当するかもしれない。球威や変化球、そして「スモーキー」といわれるような独特なフォームを身につけることも大切になってくる。
この本の最後のほう(奥付の手前の頁)に小さな字で「編集協力 本城雅人」とあった。
本城雅人の『スカウト・デイズ』(PHP文芸文庫)や『嗤うエース』(幻冬舎文庫)は好きな野球小説である。
PHPの「小説・エッセイ」文庫『文蔵』(4月号)の特集は「『野球小説』の名作を読む」もおもしろかった。
「このスポーツならではのドラマを味わえる55作」(文・大矢博子)は読ませる。この号は永久保存版になるとおもう。
2013/03/27
まもなく
春というか、いきなり初夏のような気候になった。とおもったら、また寒くなる。
まもなくプロ野球が開幕する。
二〇一一年から統一球(低反発球)と可変ストライクゾーンの導入によって、チーム総得点、ホームランの数が激減した。規定打席に到達した三割打者がひとりもいないチームもあった。
打撃の調子には波がある。そうすると、同じくらいの打撃力だったら、守備のうまい選手のほうがチャンスをもらえる回数が増える。
たまたまチャンスをもらったルーキーや控えの野手が出番がきても、相手のチームが絶好調のエース級の投手が先発とか、勝ちパターン継投とかになった試合で、打撃をアピールするのはかなり厳しい。
ヒットは打てないかもしれないが、進塁打を打つ、守備、走塁で貢献する——そういうアピールの仕方もある。逆に、それができない選手は一軍と二軍を行ったり来たりする。
複数のポジションを守れるユーティリティプレイヤーの場合、出場する機会は増える分、突出したものがないと控えに回されやすい。もちろん、チームにとっては必要な選手であることはいうまでもない。
チームの看板選手、助っ人の外国人、実績のある選手とポジションが重なるとレギュラーになるのはむずかしい。
理想をいえば、レギュラーポジションの世代交代の時期と自分の伸び盛りの時期が重なるのがいいのだが、それには実力だけでなく、運も必要になってくる。
自分の出番がありそうなチームに入団できるかどうか。それからケガをしないこと、メンタルが安定していることも選手寿命に関わってくる。
期待のドラフト上位の選手が燻っていて二軍でもぱっとしない。素質はあったのにケガに泣いて、そのまま引退してしまう選手もいる。
引退後、コーチになったり、スカウトになったり、スコアラーになったり、球団の親会社で働いたり、どこで何をしているのかわからなくなったり、試合以外のいろいろなことも気になる。
一試合一試合の結果だけでなく、ひとりの選手が入団してから引退するまでの物語にも、プロ野球のおもしろさがある。
でもその物語を追いかけようとすると、仕事に支障が出る。
まもなくプロ野球が開幕する。
二〇一一年から統一球(低反発球)と可変ストライクゾーンの導入によって、チーム総得点、ホームランの数が激減した。規定打席に到達した三割打者がひとりもいないチームもあった。
打撃の調子には波がある。そうすると、同じくらいの打撃力だったら、守備のうまい選手のほうがチャンスをもらえる回数が増える。
たまたまチャンスをもらったルーキーや控えの野手が出番がきても、相手のチームが絶好調のエース級の投手が先発とか、勝ちパターン継投とかになった試合で、打撃をアピールするのはかなり厳しい。
ヒットは打てないかもしれないが、進塁打を打つ、守備、走塁で貢献する——そういうアピールの仕方もある。逆に、それができない選手は一軍と二軍を行ったり来たりする。
複数のポジションを守れるユーティリティプレイヤーの場合、出場する機会は増える分、突出したものがないと控えに回されやすい。もちろん、チームにとっては必要な選手であることはいうまでもない。
チームの看板選手、助っ人の外国人、実績のある選手とポジションが重なるとレギュラーになるのはむずかしい。
理想をいえば、レギュラーポジションの世代交代の時期と自分の伸び盛りの時期が重なるのがいいのだが、それには実力だけでなく、運も必要になってくる。
自分の出番がありそうなチームに入団できるかどうか。それからケガをしないこと、メンタルが安定していることも選手寿命に関わってくる。
期待のドラフト上位の選手が燻っていて二軍でもぱっとしない。素質はあったのにケガに泣いて、そのまま引退してしまう選手もいる。
引退後、コーチになったり、スカウトになったり、スコアラーになったり、球団の親会社で働いたり、どこで何をしているのかわからなくなったり、試合以外のいろいろなことも気になる。
一試合一試合の結果だけでなく、ひとりの選手が入団してから引退するまでの物語にも、プロ野球のおもしろさがある。
でもその物語を追いかけようとすると、仕事に支障が出る。
登録:
投稿 (Atom)