岡崎武志著『貧乏は幸せのはじまり』(ちくま文庫)が刊行。二〇〇九年に出た『あなたより貧乏な人』(メディアファクトリー)を改題、再編集した本です。
巻末でわたしと古書ますく堂がそれぞれ対談しています。高円寺のコクテイルで飲みながらちまちましたことをいっぱい喋ったら、それがほとんど収録されていた。対談に出てくる「業務用スーパー」は「業務スーパー」ですね。まちがえました、すみません。
この本を読んでおもったのは「貧乏」の中におもしろい貧乏や笑える貧乏——それこそ幸せな貧乏もあるということだ。
もちろん、おもしろい貧乏や笑える貧乏というのは、ほんとうの貧乏ではない。そういう考え方もあるかもしれない。
でも収入が不安定だったり、ちょっと生活が困窮したりしたときに、案外、気の持ちようでなんとかなることもある。
そういう意味ではこのエッセイ集は庶民向けの「幸福論」としても読める。というか、わたしはそう読んだ。