2015/05/06

私事と仕事

 連休中、とくに予定なし。ずっと掃除している。

 日曜日、阿佐ケ谷に散歩。北口の航海屋でラーメンを食う。基味と新味があるのだが、わたしは新味派。久しぶりにスターロードのほうまで行く。南口のアーケードで食材や調味料などを買い、青梅街道を通って帰る。

 一週間ちかく、午前中に目が覚める日が続いている。日中、あまりにも原稿が書けなくて、自分には早起きは合っていないと痛感する。

 キンドルの月替わりセールで白山宣之の『地上の記憶』(双葉社)をダウンロードする。白山宣之(1952年〜2012年)は長崎生まれで、一九九六年まで高円寺に二十五年暮らしていた。関川夏央の『名探偵に名前はいらない』(東京三世社)の表題作の作画も白山宣之が手がけている。名前のない探偵に「仕事は一流、営業は五流」という台詞があるのだが、今読み返すと寡作な漫画家だった白山宣之のことをいっているかのようにおもえる。

 南陀楼さんの『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)を読んでいて、二〇〇四年に無明舎出版から出た『ナンダロウアヤシゲな日々』を読み返す。「私事」と「仕事」の垣根をとりはらう生き方をこのころから実践していた。

《文章を書くこと、編集をすること、ミニコミやメールマガジンを出すこと、ヒトとヒトを結びつけること……。これが、いま南陀楼綾繁がやっていることです。「私事」と「仕事」をクロスさせながら、このような「ひとり出版」(とても「出版社」とは云えませんが……)を続けていきたい、とぼくはいま考えています》(ナンダロウヤシゲなまえがき)

……「趣味を仕事にする」とか「仕事の中で遊ぶ」のではなく、趣味か仕事かわからない渾沌とした状態を模索しているのかもしれない。まずおもしろいとおもうことをやる。別にすぐ仕事につながらなくてもかまわない。仕事からはみだす部分がないと、好きなことをしていてもつらくなる。