2015/06/14

休日

 今月の『本の雑誌』の連載は「辻征夫の年譜を読みながら」。しめきり直前まで何を書くか決めていなかったのだが、黒田三郎の『小さなユリと』(夏葉社版)の解説を送った後だったので、その勢いで詩の話を書いた。

 黒田三郎と辻征夫は、比較して読んだわけではないが、詩のつくり方は似ているような気がしている。

 話は変わるが、今月、古沢和宏著『痕跡本の世界 古本に残された不思議な何か』(ちくま文庫)が出た。古沢さんは、喋り出したら止まらない犬山市の五っ葉文庫の店主。いずれは東海地方のスターになるでしょう。

 本に残された痕跡のおもしろさだけでなく、古沢さんの本の取り扱い方もちょっとおかしい。わたしは諸葛孔明の署名本の話がお気にいり。
 痕跡といっても、書き込みだけではない。本の状態(頁が折れていたり、変色していたり)から、その本の読者の癖、本がどんなふうに読まれたかを分析(妄想)する古沢さんの眼力も、その力をもっと他に使いようがないのかとおもうくらい冴えまくっている。

 日曜日、西部古書会館、大均一祭二日目。全品百円。値段を見ずに、一行でも読みたいとおもった本を買う。

 交流戦、セ・リーグ全敗……こんな日もある。